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⑤“カクカクシカジカ”と“つくつく防止”

ダイハツのスゴイ、ネーミングについて、雑誌ベストカーが記事にしていた。今回はその軽めの話題を。『青字』は引用部分です。
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後付けの、ペダル踏み間違い事故防止システムを、トヨタとダイハツが同時発売した(2018.12.05)。システムはほぼ同じなのだが、『しかし、まったく違うところもあって、それはネーミング。トヨタが「踏み間違い加速抑制システム」という遊び心ゼロの名前を付けたのに対し、ダイハツは「つくつく防止」としてきたのだ!』
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『後付けの「つく」に事故防止の「防止」でつくつく防止。控えめに言っても天才的な仕事である。』
このベストカーの雑誌記事より、『ダイハツネーミング歴伝』を紹介していくつもりだったのだが、なんとweb版ベストカーでもこの記事を紹介していた!若干の違いはあるがほとんど同じ内容だ。(世の中甘くない・・・。)
https://bestcarweb.jp/feature/column/57735
そこで前半は、web版ベストカーの記事『「お、パイザー。」って?? カクカクシカジカだけじゃない!! ダイハツのネーミングセンスが凄い』をダイジェストに、過去のユニークなネーミングを振り返り、後半はそこから脱線して、スズキとも絡めて一本のネタにしました。
『思い起こせばダイハツのネーミングセンスは、昔からとてつもなく高いレベルにあった。そんなダイハツのネーミングセンスを振り返ります。』
最近のダイハツのネーミングで、もっとも有名なのはやはり、「カクカクシカジカ」(ムーヴコンテ)だろう。
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『四角いボディが特徴のムーヴコンテ用CMキャラクターだった「カクカクシカジカ」だが、今ではダイハツ全体のマスコットに成長。四角いデザインを表現するのに「カクカクシカジカ」とするセンスがダイハツ流だ!』
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「ドデカクつかおう。ウェイク」(ウェイク)
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『この「わかりやすさ」がダイハツネーミング術のミソで、(一部を除き)消費者に一瞬にしてアピールポイントを理解させるのが得意。』
「べた踏み坂」(タントカスタム)
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これも男路線。直球でわかりやすい。
『鳥取県と島根県の県境に実在する江島大橋のことで、こんな級坂でもアクセルベタ踏みでなく余裕で登れるというパワフルさを表現したもの。実は、見る角度や撮るレンズによって級坂に見えるだけで、実際にはそうでもない』そうです。
「ミラクルオープンドア」(タント)
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説明不要だろう。ちなみに初代タントは開発中に社内で「猫バス」と呼ばれていたそうだ。
「置きラクボックス 置きラクレイアウト」(ムーヴキャンパス)
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『「置きラク」=「お気楽」。置きラクボックスとは後席下の収納ボックスの名称で、置きラクレイアウトとは置きラクボックスとスライドドアを組み合わせたレイアウトの名称。』
ダジャレが入ってくる。さらに・・
「いつもの私で、ラクしトコット。」(ミラトコット)
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似たパターンで「ココかわ」(ミラココア)
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「ココア」と「かわいい」を組み合わせ、略したフレーズ。
過去にはこんなダジャレもあった。
「お、パイザー。」(パイザー)
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ちなみにパイザーとは、こんなクルマだった。
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さらに過去までさかのぼり、歴代のダイハツのネーミングの最高傑作は、軽ではないが、やはりこれでないか。
「5㎡カー」(初代シャレード)
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『ボディサイズが全長3640mm、全幅1510mmで、正確には5.496㎡だったが、四捨五入して「5㎡カー」とした。』
1977年にデビュー。軽量コンパクトな2ボックスハッチバックボディに、3気筒バランスシャフトつき993c.c.で60馬力。3気筒で世界に影響を与えた、日本の傑作車の1台だ。
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ダイハツ車で個人的に印象に残る“事件”は、ダイハツ久々の1600ccクラスの自社開発セダン、アプローズの火災事件だ。
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“アプローズ”=喝采というネーミングで登場したが、後に不幸な火災事故が発生し「喝采から火災へ」と、ダイハツお得意のダジャレで返されてしまった。
ただ当時の朝日新聞のヒステリックな叩き方は、正義漢面した弱い者いじめのようで、心血注いで待望の小型車を世に送り出した、ダイハツの関係者のことを思うと、心が痛んだものだったが、今から思えば、アプローズはバブルの勢いに乗って企画された感もあり、後々のダイハツのことを考えれば、あそこで“炎上”してやめにしておいてよかったのかもしれない。朝日新聞のおかげだった?
1998年、トヨタはダイハツへの出資比率を51.2%に引き上げ、ダイハツは子会社となる。それまでのダイハツは傍から見ていると不思議な魔力?を持つ会社で、提携先のトヨタからトヨタ流クルマ作りを徹底させるべく、社長を送り込まれても、何故か“同化”させてしまって、ダイハツ流のクルマ作りを貫いてきたが、ここでこの流れは終わりとなった。
軽以外でダイハツ独自色のある車は、ストーリア(1998年)が最後であろうか。
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この辺で中締め?しておくと、ダイハツという会社の根底には、今でも“大阪文化”が根付いているのだと思う。確かにクルマの産業の ”規模” としてみたら、中部や関東勢などに比べて劣勢だったかもしれないけれど、ダイハツのネーミングの素晴らしさの中には、大阪(関西)は “文化” では劣っておらずむしろ上だ!という気概が現れているような気がします。
ちなみにダイハツの「つくつく防止」のネーミング担当者はベストカーに『「つくつく防止、突っ込みぼーし! と覚えていただければ幸いです」とマジなのかネタなのかわからないコメントをくれた』そうだ。

再びダイハツの軽の世界に戻ると、個人的に“惜しい”と感じたのは、ネイキッド(99~04年)だ。
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以下wikiより。『ネイキッド=「むき出しの状態の」、「ありのままの」を意味する言葉である。その名の通り、「むき出しの素材感」がデザインテーマとなっている。~バンパーおよびフロントグリルは外側からボルト止めされており、簡単に取り外しができるようになっている。~さらに、平板で直線的な外板パネルに深い凹状のプレスを入れた鉄板然とした意匠の4枚のドアは、アウター(外付け)ヒンジとされ、レトロな雰囲気の演出のみならず、90度近い開角度を可能とした実用性も与えられている。』
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今見ても斬新なデザインだ。同じような、遊び道具的なコンセプトのスズキのハスラーが、後に大ヒットしたことを思うと、時代が追いついていなかったのだろうか。それともあまりにもむき出し感が強すぎて、敬遠されたのだろうか。
一方、クルマ自体は斬新でなくても、ファッションとのコラボという、ネーミングがもたらす世界の新しさでヒット車となったのが、「ミラ・パルコ」だ。
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https://trafficnews.jp/post/79202「乗り物ニュース」より引用
『女性ユーザーにターゲットを絞り込み、セゾン・グループ(当時)のファッション・ビル「パルコ」とコラボレートして生まれたのが初代「ミラ」をベースとした特別仕様車、最初の「ミラ・パルコ」です。自動車メーカーとファッション・ビジネスが本格的にタイアップし、全国的なキャンペーンまで行うというのは、当時の資料によると、日本初のことだったといいます。』
いったい、どこが「パルコ」だったのかと言えば・・・
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シートが“パルコ”ということだったようだ。『その名も「パルコ・シート」です。それまでのクルマのシートにはない、洋服感覚のデザインが斬新でした。』
『この「ミラ・パルコ」、ダイハツのショールームだけでなく、全国11ヵ所のパルコでも実車を展示、販売したことで、話題になりました。「洋服買いに行くついでに、クルマも買っちゃう?」みたいな、バブルの走りのフワフワした空気感満載な企画です。本当にそこでクルマを買うのかは別として、「パルコに来るのは電車で2時間かけてバーゲンの時だけ」というような地方女子にとっては、グッとくるアピール方法でした。ちなみに、よく「やっぱり、●●●(某ファッション・ビル)よりパルコの方が店員かわいいよね」とか言っていましたが、あれも相当な思い込みですね、いま考えると。そのくらい、「パルコ」の名には威力がありました。』
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確かに、“渋谷発”をうたっている。
しかし当然ながら、ライバルのスズキも黙っていない。当時のファッションアイコンであった、小林麻美さんとのコラボ?で、
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「スズキアルト・麻美フェミナ」を生み出すのだ!
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こちらの方が回転式シートでより本格的?麻美スペシャルとも言っていたらしい。
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話がダイハツからスズキに移ったところで、自分はスズキのネーミングでは、なんといってもこれが一番好きだ。
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例によって次第に話が迷走してきたので、この辺で切り上げます!

プロフィール

マルプーのぼんちゃん

Author:マルプーのぼんちゃん
【ぼんちゃん】
推定年齢12歳(2020年6月現在)ぐらいの、オスのマルプー犬のぼんちゃん。年より若く見える。マルプーではちょっと稀な“キレカワ系”💛 性格は、おとなしくてやさしくて人懐っこくて庶民的?でも対犬ではかなり臆病。散歩だけはたくさん(1日1~3時間ぐらい)させてもらっている。選択の余地なく、毎日おっさんの面倒をみている。
【おっさん】
推定年齢60歳+のシガナイ初老の独身オヤジ。ひょんなことからぼんちゃんと2人で暮らすことになったが、おかげさまで日々シアワセに暮らしている。

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