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自動車についての雑感その3(SKYACTIV)

2018.06.27
(ベストカー)
ベストカーで、「クルマ界の大絶賛と失望」というテーマで、自動車評論家が議論しているが、その中で、「内燃機関一本鎗のマツダ、今後も大丈夫なのか」というテーマを提示、中で、SKYACTIVのガソリン第一世代を酷評(実際にはそんなに燃費が良くない)、さらにSKYACTIV-Xについても猜疑的な論調だった。
Mazda-SkyActiv-X-022.jpg
確かに指摘のように実用燃費は、各誌の実際のロードテスト結果をみる限り、競合他社製品に対して、現状同レベルだ。
ただSKYACTIVのGに例をとれば、その強い影響で、たとえば“ト〇タ版SKYACTIV”とか、そこは激しい競争下の日本、すぐに対抗策が出てきて、さらに費用対効果でいいとこどりしてさらに改良を加えたり等々で、結果、あまり変わらなくなっていったのだと思う。各社のエンジンが一様に高圧縮比化されただけでもその影響力は一目瞭然で、その辺りも含め評価しないと片手落ちだろう。
さらにディーゼル版で言えば、当初ドイツ製ディーゼルに比べて低出力でドライバビリティ等、性能面で劣るという評価があったが、高価な後処理装置なしで排ガスを(VW/MBのように不正なしで)クリアしていた点は十分評価すべきだ。ちなみに排ガスをクリアした後のドイツ勢に対するモータージャーナリストの評価は一応に“つまらなくなった”で、逆にその点に対しての反省の方が必要のなのでは。
関連する話題として、ドイツの自動車産業のカルテル疑惑がある。
http://www.newsdigest.de/newsde/column/dokudan/8721-1055.html
このことは、以前からささやかれていたことだが、たとえば48Vシステムで言えば、まず高級車メーカで試し(AUDI Q7やMBのSクラス等)、A6クラスを経て、次のステップでVWが大量産車(来年のゴルフ8で採用が噂されている)で採用、
2020-VW-Golf-Mk8-front-three-quarters-rendering.jpg

一気に部品原価を下げて、ドイツ各社が一斉採用、他(国)に先行するというパターンがある。この一連の流れは、産官学、ドイツ圏のエンジニアリング会社、サプライヤー、国を挙げての一体化した動きが感じられる。ただ何分ドイツ民族は優秀過ぎて、ヤリスギル癖があり、カルテルまで行ってしまうのだろう。
これに対して日本は、プリウス(THS)が出れば、ホンダも日産も三菱も別路線で対抗し、エンジンもトヨタ、日産、マツダでバラバラの路線だが、金太郎アメ状態のドイツに比べて、バラエティに富んでいて、この点むしろ大いに誇るべき点ではないのか。
もちろんたとえば産官学連携が遅れている点は、効率面では日本の自動車産業の大きな弱点で、今後、非競争領域の分野では(AICE、SIP、TRAM1のように)大いに共闘を進めるすべきだろうが、“核”となる部分では、各社(が抱える有能な人材)が正しいと思う方向に、このまま進んでいってほしい。
さらに記事の中で、マツダの利益率が低い、という指摘もあり、同規模のスバルとの比較と想定されるが、これはスバルが異常に高すぎるのであって、マツダは常識的な水準である。
この雑誌記事のような日本の自動車産業の全体像まで見ない、視野の狭い一部のモータージャーナリストの意見などに惑わされることなどよもやないとは思うが、この日本の自動車産業の特質は、巨大な市場を背景に、勃興するであろう中国の自動車メーカに対抗していくための、重要なキーポイントの一つで、SKYACTIV-Xなどまさにそれだろう。
マツダのエンジン開発を主導する人見常務など、今の日本の自動車産業の“宝”そのものだと思う。

余談だが、トヨタが発売するEVのレンジエクステンダーバージョンは、マツダが新たに開発するロータリーエンジンが搭載されるようだが、乱立するEV系の中で特色が出せ、これなど、トヨタとマツダの技術の理想的な融合だろう。
MAZDA_Rotary_Engene_02-20180123213550.jpg

頑張ってほしい。

プロフィール

マルプーのぼんちゃん

Author:マルプーのぼんちゃん
【ぼんちゃん】
推定年齢12歳(2020年6月現在)ぐらいの、オスのマルプー犬のぼんちゃん。年より若く見える。マルプーではちょっと稀な“キレカワ系”💛 性格は、おとなしくてやさしくて人懐っこくて庶民的?でも対犬ではかなり臆病。散歩だけはたくさん(1日1~3時間ぐらい)させてもらっている。選択の余地なく、毎日おっさんの面倒をみている。
【おっさん】
推定年齢60歳+のシガナイ初老の独身オヤジ。ひょんなことからぼんちゃんと2人で暮らすことになったが、おかげさまで日々シアワセに暮らしている。

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