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自動車の雑感その4”センチュリースタイル”

”センチュリースタイル”について
飯田橋のハローワークに失業保険の手続きをしに行く途中で、正式発表前の新型トヨタセンチュリーに遭遇。写真ではすでに公開されていたが、実車はメチャかっこよかった!
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色はあとで調べると、“シリーンブルーマイカ”という薄いブルーで、前後に何人か乗っていた。トヨタ東京ビルの近くだったので、社内の試乗会だった?ジャーナリストという感じではなかった。
個人的な趣味では、今の日本車の外観デザインで、新型トヨタセンチュリーが一番かっこいいと思う。ロードスターも相当いいが、日本独自性という点でも一番だと思う。

センチュリーの初代が登場したのは1967年で、現在でようやく3代目だ(途中ビックマイナーチェンジもあったが)。ただすでに50年以上の歴史がある。そしてその初代のデザインが出色な出来であった。

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そのため、2代目、3代目はその優れたモチーフを踏襲している。確かV12エンジンが特徴の2代目が出た時の雑誌“NAVI”の名物企画のナビトークで、徳大寺有恒さんが、初代のデザインが良かったので長いスパンの末に出た(実に30年後だった)2代目がそっくりさんでもそんなに古びていないと語っていた。確かにその通りだと思った。でも後述するが、いくら良いデザインでも、あまりにもそっくりさん過ぎると個人的には感じていた。
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その点、3代目は、初代のエッセンスは踏襲しつつも、現代の高級車としてモダナイズされており、50年の伝統に裏打ちされた、素晴らしいデザインだと思う。
デザインは見事に継承している。ただ多少、その後のロールスロイスの影響はあったかな?
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その(個人的な意見だが)偉大な初代センチュリーは、クラウンの主査として有名な、中村健也氏が主査として開発を主導した。
中村健也氏は、スキンヘッドの迫力ある面構えの持ち主で、元々は生技畑の技術者だったが、豊田英二氏に大抜擢されて、持ち前の強力なリーダーシップでクラウンの開発を主導し、日本の自動車に燦然と輝く偉人となった。
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ただ“大主査”と呼ばれるようになって次第に、社内的に浮いてきたらしく、組織的に遠ざけられていき、晩年?は台数的にはトヨタ的には大勢に影響のないセンチュリーの担当になっていったようだ。会社社会ではよくある話だ。確かガスタービンエンジンの研究もしていて、モーターショーにセンチュリーに乗せて出していた。
初代のセンチュリーは、そんな中村氏の時代を超えた趣味性が発揮された、日本車の傑作デザインだったと思う。たぶん中村さんは、最初のクラウンを任された頃にはそんな趣味性はなかった人だったろう。初代クラウンの外観デザインは、観音開きが特徴だったが、国内向けの小型車サイズにしたアメ車で、当時の日本人の自動車に対する願望をそのまま具現化したようなものだった。
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たた元々優れた素養があったのだろう、自動車開発の責任ある立場になり情報もどんどん入ってきて、最後には日本人としての独自の自動車趣味が熟成されていったのだと思う。
その初代センチュリーが出た当時、自分はまだ小学生だったが、その外観に違和感を感じたことを覚えている。(なにせその前はクラウンエイトだった。)それだけオリジナリティーが高かったからだろう。当時のアメ車より小さいけれど凝縮感があり、同時に風格もあり、日本的な清楚さと伝統すらも感じられて、一般の西洋基準のデザインに比べて異質なものに感じられた。
これも余談だが、当時トヨタのディーラーに行って、センチュリーのカタログをもらった(というか、置いてあったものを勝手に頂戴した)ことを思い出した。
確かダッシュボードのデザインもかなり特殊だった。でも全体的に上品だった。

さらに話がどんどんそれるが、中村氏とほぼ同時代に、ライバルの日産の川又克二社長も、元は興銀出身の銀行家のはずなのに次第に自動車デザインに目覚め、ある種の審美眼を持つようになったとされている(確か自動車史に詳しい桂木洋二氏が、何かの本で指摘していた)。410ブルーバードとセドリックで、ピニンファリーナを起用したがそのちょっとエレガントなスタイルは、当時の日本の一般大衆には理解されずに受け入れられず、トヨタの逆襲を浴びるきっかけとなってしまった。
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しかしその次の世代の510ブルーバードやフェアレディZでは、クリーンなデザイン+先進のメカや性能、品質で、北米をはじめ先進国で通用する優れたデザインの乗用車を、日本で初めて生み出すに至った。
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日本の自動車産業を取り巻く世界が、急激な成長を遂げた時代で、当時最前線で激しく戦いつつ、切磋琢磨していた人達の才能は豊かで、時代とともにその成長もまた、大きかったのだろう。

話を2代目センチュリーに戻すが、その外観デザインは、1982年の改悪(外観が。ただ初代はメカ的には凝りすぎで、修正が必要だったようだ)
マイナーチェンジ版よりも、先祖帰りして初代に近い雰囲気になった点は良かったが、一方で当時、いくらなんでももう少し進化させたらと、思った人も多かったと思う(自分もそうだった)。
確か当時トヨタからは、旧型と新型でデザインがほとんど変えなかった理由として、皇室関係車で隊列走行しているとき、違和感が少ないから良いのだ、
というようなニュアンスのコメントがあったと記憶している。ただその後(2006年)、日産プリンスロイヤルに代わる、トヨタ待望の御料車である、センチュリーロイヤルが、結局今の3代目センチュリーに近いデザインで登場したので、2代目のデザインの段階で、今回の3代目に近い線まで進化?させてもよかったのではなかろうかと、思っていた。

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最後に、今後のセンチュリーの方向性についての個人的な期待というか、独断と偏見に満ちた勝手な妄想を述べたい。
3代目で一つ残念だったのは、旧型のレクサスLSのプラットフォームを使いまわししたことだ。
確かに今のように月産50台の、国内市場専用高級車として想定するなら、金はかけられないのは致し方ないだろう。
ただ新型のレクサスLSを、割り切って思いっきりスポーティー路線に振った結果、逆に生粋のフォーマル路線の量販高級車がトヨタのラインナップから(というか日本から)なくなってしまった。冷徹な市場調査の結果、フォーマルな高級車分野では、世界市場でジャーマン3にかなわないという結論が出た結果なのだろう。
だが、たとえば先日の米朝首脳会談の映像を見ても、アジアの首脳がメルセデスベンツ(以下MB)に乗っているのは寂しい限りだった。やはり(誰であれ)世界の首脳や各国の政府に愛用されてこその高級車であろう。
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しかしもし仮に、その市場をターゲットにトヨタ単独で新たなセンチュリーを開発しても、その国の国家元首や政府高官達が、どの国のどのクルマを採用するのか、MBはじめジャーマン3のように、ブランドが確立されていない中での採用は、今の日本の国際的な影響力の無さを考えれば、難しい話だろう。

そこでここからは妄想なのだが、この“センチュリースタイル”と勝手に呼ばせていただくが、西洋的な価値観を追わずに、既存のどのクルマにもあまり似ていない、トヨタが長年築いてきた高級車らしいフォーマルかつ美しく上品な、優れた外観のこの遺伝子を、セールスに活用する提案だ。
たとえば中国政府をバックに持ち、トヨタとも提携関係にあり、クラウンを現地生産している中国の第一汽車(以下一汽)と共同開発品に位置付けたらどうだろう。
『一汽トヨタ(レクサス) センチュリー』として、MBのSクラス級というか、早い話が新型レクサスLSのプラットフォームを用いて外観は、その“センチュリースタイル”を踏襲する。元々LSだけではフォーマルな高級車の市場が取れないので、悪くない話ではないか。プラットフォームの有効活用にもなるし。市場は分け合えるであろう。
そして元首クラス向けには、ストレッチバージョンとして『一汽 紅旗』と『トヨタ センチュリーロイヤル』を用意して、相手に合わせてそれぞれ供給すればよいだろう。
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西洋的な価値観と一線を画す“センチュリースタイル”は、日本のトヨタの先人たち(中村健也氏や、豊田英二氏、喜一郎氏等々)が試行錯誤しつつ、悪戦苦闘して築きあげた、日本の誇るべき自動車“文化”の一つの形なんだろうと思う。
いくらTier1やAVL、FEVなどのエンジニアリング会社に技術は丸投げできても、自動車“文化”までは丸投げできない。
オリジナルな文化を築く為には自らの努力とそれなりの時間が必要で、日本が中国、インド、ロシアなど、自動車文化後進国に対して優位に立てる、実は重要なポイントの一つなんだと思う。
そして、トヨタが(今のところ)得意とする東南アジアや北米以外の、今後勃興するユーラシア経済圏や、中東、アフリカ、南米、さらには南北朝鮮?向けのフォーマルなのところ市場を、上海協力機構、一帯一路、AIIB等を通じて、すでに大きな影響力を及ぼしている今の中国の力をバックにつけて、実質ジャーマン3が独占するフォーマルな高級車市場を攻略していくのだ。
今のところ、ユーラシア経済圏のVIP達は、MBはじめジャーマン3の高級車をご愛用だが、よそものでなく、いずれ自分たちのクルマを欲しがる次期が来るだろう。その市場を、トヨタは中国(一汽)とともに先手を打つのだ。ロシアのジル(もうなくなった?不明)とも連携すれば、さらに強力だろう。
ユーラシア大陸のシルクロードハイウェイを、より空力性能を考慮した新らしい“センチュリースタイル”のビジネスエキスプレスが駆ける!そんなイメージだ。(なので性能的に、新しいLSのプラットフォームが必要になる。)
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このような話をするとすぐ、いずれは中国に技術まで乗っ取られてしまうのではないか等々、反論が起きる、新型LSのプラットフォームならばあらかじめPHEV(さらにはFCVまで)まで想定しているだろうから、この先10年ぐらいは持つのではあるまいか。
10年後の心配を、今からしても始まらない。世界の自動車市場はこれからますます、政治抜きには考えられない。今の日本国の国際政治力は全くあてにできないので、自らを守るため、トヨタ自身で動くしかないだろう。

さらに関連した話を続けると、これからの自動車産業にとって、何よりも、ブランド力の確保が重要になってくる。
先週フルモデルチェンジしたカローラ、クラウンは、ドイツ勢の性能に追いつき追い越せと、性能向上に躍起で、ようやく新型で、どうやら並ぶところまできたようだ。
自動運転まで見据えると、動的な性能UPは必須(指令通りに動くことが重要となる)との事情もあったのだろうが、ブランド力構築という点では、性能を誇るだけでは時間(と金)がかかる。
それに来年ゴルフ8がでれば、7の技術はいずれ、提携先の中国ブランド品に移管されていく。その時、新型カローラは価格に見合う、十分優位な差が提示できているだろうか。キツイことを言えば、この路線一本やりでは、将来先細りではないだろうか

ただトヨタには長年気づき上げてきた西洋のイメージにとらわれない、オリジナルな“センチュリースタイル”がある。
ここでさらにさらに妄想を続ければ、クラウンの輸出バージョンも、この『一汽トヨタ センチュリー』の下位の(サイズはレクサスGS程度か)、フォーマルバージョンとして、“センチュリースタイル”の外観にしたらどうだろう。
西欧以外の各国の官僚やカンパニーカー向けに『一汽トヨタ クラウン』として、同様な流れで海外展開すべきだと思う。
いくら仮に性能面で、一時的にキャッチアップできたとしても、今の和洋折衷のようなクラウンの外観デザインでは、ジャーマン3の提示する価値観に、海外市場では対抗できない。
ここは土俵をずらすべき。今からならまだ、ぎりぎり間に合うのではないだろうか。期待したい。

プロフィール

マルプーのぼんちゃん

Author:マルプーのぼんちゃん
【ぼんちゃん】
推定年齢12歳(2020年6月現在)ぐらいの、オスのマルプー犬のぼんちゃん。年より若く見える。マルプーではちょっと稀な“キレカワ系”💛 性格は、おとなしくてやさしくて人懐っこくて庶民的?でも対犬ではかなり臆病。散歩だけはたくさん(1日1~3時間ぐらい)させてもらっている。選択の余地なく、毎日おっさんの面倒をみている。
【おっさん】
推定年齢60歳+のシガナイ初老の独身オヤジ。ひょんなことからぼんちゃんと2人で暮らすことになったが、おかげさまで日々シアワセに暮らしている。

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